首相!「事務方のミスは大臣のミス」ですよ(産経新聞)
3月3日の参院予算委員会に3人の閣僚(仙谷由人国家戦略担当相、前原誠司国土交通相、原口一博総務相)が遅刻した問題は、鳩山政権の「たるみ」を象徴的に示す出来事として、野党のみならず民主党内からも強く批判された。委員会の冒頭で、3閣僚はそれぞれ陳謝したが、本気で反省しているのかどうかよく分からない謝り方だった。
遅刻がそれほどの大問題なのかどうかという点については、自民党の義家弘介参院議員が次のように指摘している。
「受験生が私見に遅刻したら受けられるだろうか。事情があろうとも、5分、10分遅れて『申し訳ありませんでした』と頭を下げてもできないんですよ」
遅刻しても許されるケースと許されないケースがある。友人との「遊び」の約束なら1、2分遅れても笑って済ませられるが、義家氏の言うように取り返しのつかない遅刻もある。予算委員会はどちらのケースにあたるのか。3閣僚にはよく考えてもらいたい。
この件に関して鳩山由紀夫首相と平野博文官房長官はそれぞれ、閣僚が遅刻した事実そのものについては陳謝しながらも、遅刻の理由については、「これはかなり事務方のミスでもありますからね。むしろ役人の中で緊張感が足りないのがいると、そのように思っていまして、大変けしからんことが起きたなと。また、申し訳ないことが起きたと。そのように思っています」(鳩山首相)、「事務的な、大臣に時間軸をあげるところにミスがあった」(平野氏)と説明した。
事務的なミスなのだから大臣のせいではないという考え方もあるかもしれないが、潔かったのは原口氏だ。この日に原口氏は自戒を込めて記者団に対してこう語った。
「事務方のミスだろうが何だろうが、大臣のミスですから」
また、江田五月参院議長は4日に平野氏と会った際に、往生際の悪い鳩山首相や平野氏の弁解内容を念頭に置きつつ次のようにばっさりと切り捨てた。
「政治主導と言いながら、困った時には官僚に責任を負わせるような弁解はみっともない」
けだし至言である。
ところで、「事務方のミスは大臣のミス」という原口氏の発言を聞いて、8年前の鳩山首相の似たような発言を思いだした。
鳩山首相は平成14年3月、『夕刊フジ』のコラムで自民党の加藤紘一元幹事長の秘書による脱税容疑についてこんなふうに語ったことがある。
「秘書の罪は国会議員の罪だ」
江田氏の発言を多少ひねってみれば、「不祥事が起きたときに秘書に責任を負わせるような弁解はみっともない」というふうにも言える。(五嶋清)
◇…先週の永田町語録…◇
(1日)
▽命もいらず
鳩山由紀夫首相 西郷隆盛の遺訓は「命もいらず名もいらず」。まさにその通りの覚悟で政治家として臨むべきだ。(衆院予算委員会で普天間移設問題の解決に職を賭す覚悟があるか聞かれ)
▽なるほどなあ
市田忠義共産党書記局長 コメントは控えるが、ある会合で「政権党に擦り寄るのは公明党の習性」と聞いた。私は「なるほどなあ」と思った。(公明党が民主党に接近しているとの指摘に対し記者会見で)
(2日)
▽幹事長と遠くない 鳩山由紀夫首相 メディアは幹事長と私が遠いという話をしている。そうではないと実際に示すことが大事ではないか。(民主党の小沢一郎幹事長と頻繁に会談することを決め、記者団に)
▽どんどん辞めろ
谷川秀善自民党参院幹事長 辞めたい人はこの際、どんどん辞めてもらったらいい。整理できることは整理しておいた方がいい。(自民党参院議員で5人目の離党者が出たことについて記者会見で)
(3日)
▽せいぜい1、2回
鳩山由紀夫首相 土日は地元に戻ることが続いていたし、平日は当然国会だ。また母の体調もあり、年にせいぜい1、2回訪れていたかなと思う。(実母との面会について参院予算委員会で)
▽動機が不純
谷垣禎一自民党総裁
動機が不純だ。自分たちが政治資金問題を起こして隠蔽(いんぺい)するために、話題を転ずるためにやっているのが明々白々だ。(企業・団体献金禁止に向けた協議機関設置について、記者団に)
(4日)
▽国会軽視だ
町村信孝元官房長官 国会軽視の体質は明らかにある。党さえしっかりやっていれば後はどうでもいいという由々しき民主党の課題が現れた。(3閣僚の参院予算委員会遅刻に関し派閥総会で)
▽化石みたい
山岡賢次民主党国対委員長 60年間同じ体制が続き、お役人さんたちはこちこちの化石みたいな行動パターンと考え方を持っている。政治主導にしていくのはなかなか大変な作業だ。(官僚体質について党会合で)
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「受験生が私見に遅刻したら受けられるだろうか。事情があろうとも、5分、10分遅れて『申し訳ありませんでした』と頭を下げてもできないんですよ」
遅刻しても許されるケースと許されないケースがある。友人との「遊び」の約束なら1、2分遅れても笑って済ませられるが、義家氏の言うように取り返しのつかない遅刻もある。予算委員会はどちらのケースにあたるのか。3閣僚にはよく考えてもらいたい。
この件に関して鳩山由紀夫首相と平野博文官房長官はそれぞれ、閣僚が遅刻した事実そのものについては陳謝しながらも、遅刻の理由については、「これはかなり事務方のミスでもありますからね。むしろ役人の中で緊張感が足りないのがいると、そのように思っていまして、大変けしからんことが起きたなと。また、申し訳ないことが起きたと。そのように思っています」(鳩山首相)、「事務的な、大臣に時間軸をあげるところにミスがあった」(平野氏)と説明した。
事務的なミスなのだから大臣のせいではないという考え方もあるかもしれないが、潔かったのは原口氏だ。この日に原口氏は自戒を込めて記者団に対してこう語った。
「事務方のミスだろうが何だろうが、大臣のミスですから」
また、江田五月参院議長は4日に平野氏と会った際に、往生際の悪い鳩山首相や平野氏の弁解内容を念頭に置きつつ次のようにばっさりと切り捨てた。
「政治主導と言いながら、困った時には官僚に責任を負わせるような弁解はみっともない」
けだし至言である。
ところで、「事務方のミスは大臣のミス」という原口氏の発言を聞いて、8年前の鳩山首相の似たような発言を思いだした。
鳩山首相は平成14年3月、『夕刊フジ』のコラムで自民党の加藤紘一元幹事長の秘書による脱税容疑についてこんなふうに語ったことがある。
「秘書の罪は国会議員の罪だ」
江田氏の発言を多少ひねってみれば、「不祥事が起きたときに秘書に責任を負わせるような弁解はみっともない」というふうにも言える。(五嶋清)
◇…先週の永田町語録…◇
(1日)
▽命もいらず
鳩山由紀夫首相 西郷隆盛の遺訓は「命もいらず名もいらず」。まさにその通りの覚悟で政治家として臨むべきだ。(衆院予算委員会で普天間移設問題の解決に職を賭す覚悟があるか聞かれ)
▽なるほどなあ
市田忠義共産党書記局長 コメントは控えるが、ある会合で「政権党に擦り寄るのは公明党の習性」と聞いた。私は「なるほどなあ」と思った。(公明党が民主党に接近しているとの指摘に対し記者会見で)
(2日)
▽幹事長と遠くない 鳩山由紀夫首相 メディアは幹事長と私が遠いという話をしている。そうではないと実際に示すことが大事ではないか。(民主党の小沢一郎幹事長と頻繁に会談することを決め、記者団に)
▽どんどん辞めろ
谷川秀善自民党参院幹事長 辞めたい人はこの際、どんどん辞めてもらったらいい。整理できることは整理しておいた方がいい。(自民党参院議員で5人目の離党者が出たことについて記者会見で)
(3日)
▽せいぜい1、2回
鳩山由紀夫首相 土日は地元に戻ることが続いていたし、平日は当然国会だ。また母の体調もあり、年にせいぜい1、2回訪れていたかなと思う。(実母との面会について参院予算委員会で)
▽動機が不純
谷垣禎一自民党総裁
動機が不純だ。自分たちが政治資金問題を起こして隠蔽(いんぺい)するために、話題を転ずるためにやっているのが明々白々だ。(企業・団体献金禁止に向けた協議機関設置について、記者団に)
(4日)
▽国会軽視だ
町村信孝元官房長官 国会軽視の体質は明らかにある。党さえしっかりやっていれば後はどうでもいいという由々しき民主党の課題が現れた。(3閣僚の参院予算委員会遅刻に関し派閥総会で)
▽化石みたい
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